◇２４人、２億６５００万円被害
ほとんど無価値の社債や外貨などを高額で売りつける新たな投資詐欺が増えているとして、県弁護士会が警戒を呼びかけている。弁護士会の消費者問題委員会は９日、静岡中央、浜松中央、沼津の各署に県内の２４人が計約２億６５００万円の被害を受けたとの情報を寄せた。これを受け県警は実態の解明を進める方針。
消費者問題委によると、被害を訴えたのは、３７〜９０歳の男女。いずれも０８年秋以降、非上場会社の株式に転換できるとされる社債や外貨などを購入した。投資を持ちかける電話があった後、別の電話で「その社債を持っていたら高額で買い取りたい」などと購入意欲をかき立てる手口が共通するという。
静岡市の高齢の男性は７月上旬、「ワールドクリエイト」を名乗る会社の社員からダイレクトメールで社債の購入を勧められた。男性は数日後、別の社名を名乗る社員から電話で「その社債がほしい。６倍の額で買う」などと言われたこともあり、社債計１６００万円分を購入した。しかし購入後「社債がほしい」と説明した別の会社からの連絡は途絶えた。２４人のうち被害額が最も大きかった御殿場市の男性は、実際には約３３万円の外貨を３７４５万円で購入してしまったという。
この問題を担当する鶴岡寿治弁護士は「うまい話に飛びつかないでほしい。悪質な投資業者と振り込め詐欺グループが手を結んでいる可能性がある」と話している。
投資詐欺：無価値の社債や外貨を高額販売、新手が急増−弁護士会発表
