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少年被告イラスト禁止、地裁の過剰対応指摘の声

 裁判長が法廷内で被告の少年(19)のイラストを描くことを禁止する異例の展開となった奈良県桜井市の同級生刺殺事件の裁判員裁判で、報道側は禁止の撤回を求めたが、地裁は最後まで認めなかった。

 識者からは「過剰な対応だ」と疑問の声も上がっている。

 異例の措置のきっかけとなった19日付の朝日新聞朝刊(奈良県版)に掲載されたイラストは、少年が法廷で遺族に向かって頭を下げる場面が、横からの構図で描かれている。ただ、目や鼻の輪郭は明確ではなく、表情はうかがえない。

 これに対し、奈良地裁の橋本一裁判長(50)は、事前に「イラストは後ろ姿に限る」と記者クラブに通知していたのに横顔が描かれたとして、19日朝、禁止を伝えた。記者クラブは22日、「法廷の様子を伝えるためには不可欠」「人権には最大限配慮している」と撤回を求めたが、橋本裁判長は24日の判決まで認めなかった。

 少年には、懲役5年以上10年以下の不定期刑が言い渡された。少年や弁護人からは、イラストの制限について希望は出されていなかった。

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