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ペニーオークションめぐるトラブル増加、弁護士会など実態把握へ

 入札ごとに手数料がかかる新しいインターネットオークション「ペニーオークション」のサイトが次々と登場し、「高額の入札料を取られたのに落札できなかった」とのトラブルが相次いでいる。入札1回の手数料は50〜75円程度だが、入札を繰り返すうちに、数万円を費やしてしまうケースが目立つ。昨年度、全国の消費生活センターに寄せられた相談件数は前年度の17倍に達し、弁護士らも将来的な法整備や業者への返還請求訴訟を視野に、実態把握に乗り出した。

 「99%オフで落札できます。非常にお得」

 大阪府豊中市の男性(59)に、そんな宣伝文句のメールが運営業者から届いたのは今年3月上旬。男性はこのメールでペニーオークションの存在を知り、初めて利用した。

 新品のブルーレイディスクコーダーの開始時の価格が0円。入札1回につき、事前に単価50円でまとめ買いしておいたポイント1つを使い、最高入札額が1円ずつ上がる仕組みだ。男性は「安く落札できそう。手数料もお手頃だ」と感じた。

 しかし、男性が入札すると、直後に必ず別の利用者が高値を更新。そのため、男性がさらに入札をすると、それを上回る高値がつく−ということが延々と繰り返され、手数料が1万円、2万円とかさんでいった。だが男性は、「ここまでお金を注ぎこんだのにやめられない」と引くに引けなくなった。手数料も、手元に大量に持っているポイントを1つずつ使っていく形式のため「その都度お金を使っているという感覚がまひしてしまった」という。

 結局、1千回以上の入札するハメになり、約5万5千円を費やした時点で「だまされているのでは」と思い、落札をあきらめた。「家電量販店で買えば5万円程度で買える商品なのに…。正常な判断力を失ってしまった」と悔やむ。

 国民生活センターは「手数料を注ぎこませるため、参加者が入札するたびに高値を更新するサクラや、自動更新プログラムの存在が疑われるサイトがある」と指摘する。同センターでは、一昨年11月から相談が寄せられ始め、昨年度は325件に達した。

 こういったトラブル拡大を受け、行政や法曹関係者も動き出した。消費者庁は今年3月、安価をうたう運営業者3社に対し、「(手数料がかさむため)落札できたとしても必ずしも安価にならない」として、景品表示法違反(優良誤認など)で措置命令を出した。

 また、大阪弁護士会は今月27日、トラブルの実態を聞き取るため電話相談会を実施。この日は15件の相談が寄せられ、中には有名ブランドのネックレスを落札するため16万4千円を費やした女性会社員もいた。相談会に参加した川添圭弁護士は、「非常にギャンブル性が高い。慎重な利用が必要」と訴える。

 現状の法律では、こういった業者を取り締まるのは難しいというが、川添弁護士は「サクラや自動更新プログラムの存在が立証できれば、詐欺罪の適用も不可能ではない。トラブルがこれ以上拡大しないよう対策を講じる必要がある」と話している。

■ペニーオークション:インターネットオークションの一種で、英国の1ポンドの100分の1の通貨単位「ペニー」にちなんで名付けられ、「非常に安い」という意味。通常のオークションサイトと異なり、大半が運営業者と出品者が同じになっている。

ニュースソース:産経新聞

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