東京地裁で今年、婦女暴行事件の裁判員裁判を担当した弁護士が、被害者の女性や裁判員候補者の名前などの個人情報をインターネット上の掲示板に掲載し、閲覧できる状態になっていたことが26日、関係者への取材で分かった。弁護士が閲覧を制限する設定を誤った可能性が高いという。
日本弁護士連合会などによると、ネット上に掲載されたのは、婦女暴行事件の被害女性の名前や携帯電話番号のほか、裁判所から呼び出し状が送付された裁判員候補者数十人の名前が書かれたリスト。
被告の弁護を担当した弁護士2人が、情報交換のため大手検索サイトの掲示板サービスを利用。裁判員裁判の情報もこのサービスを使ってやり取りをしていたが、検索サイトの会員であれば誰でも自由に閲覧できる状態になっていたという。26日に外部からの指摘を受け、削除された。
日弁連が調査したところ、他にも掲示板などで個人情報が閲覧できる状態になっていたケースが全国で十数件見つかった。
日弁連は同日、全ての会員に対し、弁護士同士で業務上のやりとりをするネット上の掲示板は非公開の設定にするか、掲示情報を削除して情報管理を徹底するよう求める文書を出した。