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有名弁護士事務所まで非弁提携で市民を食い物に!

 かつて、テレビCMの大スポンサーのひとつに挙げられたのが、武富士などの大手消費者金融だった。

 だが、時代は変わった。借り手の返済能力を上回る貸し付けが横行した結果、多重債務者や自己破産者が増加し、社会問題化した。そうした背景があって、司法は債務者に有利な法解釈をするようになった。

 従来、貸金業の世界では利息制限法に定める上限金利(15〜20%)と出資法に定める上限金利(29.2%)の2種類の条件金利があったが、貸金業法の規制では債務者が利息として金銭を任意に支払うなどの条件があれば、利息制限法の上限金利を超えていても、出資法の上限金利を下回っていれば貸し付けできることになっていた。

 だが、2004年2月、最高裁はグレーゾーン金利が有効と認められる例外について「厳格に解釈すべきだ」との判断を示し、以後、例外が認められる範囲を段階的に狭めてきた。

 そして、06年1月、最高裁は「明らかな強制だけでなく、事実上の強制があった場合も、上限を超えた分の利息の支払いは無効だ」とする初の判断を示した。  


 こうした司法判断により、全国に2000万人もいたとされる消費者金融や商工ローンの利用者が利息制限法の上限金利以上に払った過払金を返還するよう求め、貸金業者に押し寄せた。過払金の返還請求の急増で多くの消費者金融の業績が悪化し、業界大手の武富士も10年9月、会社更生法の適用を申請するまでに追い込まれた。

 凋落した消費者金融に代わって、バブルに沸いたのが、急増した過払金返還問題で借り手の代理人を務める弁護士だった。数年前の過払金返還ブームのまっただ中、東京地裁では過払金返還請求が大半を占める不当利得返還請求訴訟が通常訴訟全体の半数を占めるまでに至り、過払金返還訴訟を扱う大手の弁護士法人はテレビCMを大量に流した。


 10年、サッカーのワールドカップの最終予選の中継の際、債務整理専門の大手法律事務所がCMを出して話題になったことがある。当時は電話だけで受任契約を結ぶことができ、法律事務所はイレグイ状態だったという。

問題を起こすのは「非弁提携」をする弁護士

 一般に弁護士というと、お堅く、真面目で、高い倫理観を持っているというイメージが湧くが、現実には弁護士の中には不心得者も少なくない。特に債務整理を扱う弁護士には、問題を起こし弁護士会から懲戒処分が下るケースも数多く出てきた。

 弁護士の世界は、テレビCMを流している大手だから信用できるというものではない。ネットの口コミを調べてみると、テレビCMで有名な弁護士法人でも、さまざまな悪評が書き連ねられている。
 債務整理を扱う弁護士の問題に詳しい松永晃弁護士もこう言う。

「かつて私のところに相談に来た依頼人のケースですが、その方はある弁護士に債務整理を依頼したところ、その事務所は『お金を振り込んでください』と言うだけで、事件の進捗状況をまったく説明しない。それでおかしいと思って、その弁護士を解任して、私に再度、事件を依頼をしてもらいました。調べたところ、その弁護士は消費者金融と交渉もせず、事件を放置し、半年間、依頼人からお金を振り込ませているだけだったのです。それで、私がその弁護士に内容証明を送ったところ、何の説明もなく、依頼人が入金したお金を返金してきました。その事務所では、依頼人と弁護士が顔を合わせた時間は1〜2分程度で、肝心の債務整理の話は全く出なかったそうです」
 倫理観が高いとされる弁護士に事件を依頼して、どうしてこのようなことになるのだろうか。松永弁護士は「問題を起こすのは、決まって非弁提携の噂が立っている弁護士です」と言う。

 代理人として訴訟を行ったり、消費者金融などと交渉を行う債務整理は法律業務だが、法律業務を行うのは弁護士などの資格がなければならない。資格を持たずに法律業務を行った者は、弁護士法に違反する「非弁活動」に当たるとされ、処罰される。(弁護士法72条)

 また、弁護士法では弁護士が非弁業者から事件の斡旋を受けたり、これらの者に自己の名義を利用させてはならないと規定されている。「非弁提携」とは、このことを指す。(弁護士法27条)
 法律業務は高度に専門的な知識や高い倫理観が必要であり、悪用すれば依頼人を食い物にすることもたやすい。そのため、依頼人を保護するために、法律業務は弁護士の独占行為とされてきたのだ。


「非弁提携」は弁護士の独立性を失わせ、非弁活動を助長する。弁護士事務所が非弁業者に支配される事態となると、非弁業者が弁護士の名前を悪用し、さまざまな不法行為が横行することとなる。特に債務整理のような分野は非弁提携の温床で、「整理屋」と呼ばれる非弁業者が弁護士事務所を乗っ取り、依頼人に支払われるべきお金を使い込むケースが後を絶たないという。

 前出の松永弁護士が続ける。

「過去には整理屋と組んでいた弁護士が、多くの債務整理を受任しておきながら、事件に手を付けず、依頼人のお金が消失してしまった事件がたくさんあります。事件が発覚したものの、その直後に弁護士が死亡し、整理屋に始末されたのではないかなどと噂されたケースさえあります」

楽に儲ける「利益相反」行為

 さらにはCMを派手に流しているような有名弁護士事務所にも、非弁提携の噂はある。 「テレビCMもバンバン流しているような弁護士法人は、ホームページもしっかりしていて、表向きキレイに見えます。しかし、オーナーが別にいるとか、『紹介屋』と呼ばれる業者から依頼人の斡旋を受けているという噂が流れていたりします。仮にそうであるとすれば、いずれも非弁提携となります。また、仕事が雑なところも少なくありません。例えば、過払金が満額取り戻せるはずなのに、ひどい場合には本来取れる金額の2割程度しか取れなかったりするケースもあるのです。

 難しい話をすると、過払金が返ってくる場合、民法704条の『悪意の受益者』、つまり、金融業者は法律上の原因がないことを知りながら、利益を受けた者として認定され、その受けた利益に利息を付けて返さなければならないんです。利息の額は、過払金が発生してから返還までの期間について、年5%。20年ぐらい取引していると、過払金の利息が過払金額の倍ぐらいになりますから、これはかなり大きな争点です。最高裁の判例もあるので、普通の弁護士ならば、過払金に利息を付けて請求するのが普通なのですが、非弁提携事務所ではこれを付けないことが多いです。

 また、非弁提携事務所では弁護士ではなく、事務員が適当な訴状や準備書面を書く場合がありますから、ちゃんとした弁護士が受任した場合の半分ぐらいしか返ってこなかったりすることもあるのです。

 なぜ、そのような処理をするかというと、そのほうが、金融業者の抵抗が少ないからです。さらに、業者は、『包括和解』という『依頼者数十人を一括して和解し、過払金は自由に事務所サイドで依頼者に振り分ける』方法を勧めてきます。これは、弁護士サイドでは、利益相反になりますが、多くの大手事務所がこれを行っているというのです。このほうが楽だからです」(松永弁護士)
 CMを流しているような大手弁護士事務所が、レベルの低い仕事をしているとは、にわかに信じがたいことだろう。だが、それは外から見ているだけでもわかることだという。

ニュースソース:ビジネスジャーナル

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