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多様な無料法律相談 上手な活用術と失敗しない方法

 できることなら一生、法律トラブルになど巻き込まれたくない。けれども、こちらに落ち度はなくても、交通事故、パワハラ、DVなどの災厄に見舞われてしまうことだって、ないとも限らない。

 そんな時に頼りになるのが法律の専門家・弁護士だ。

「弁護士の相談料はべらぼうに高い」というのが一般的な認識。もちろん訴訟や継続的な相談になるとそれ相応の費用はかかる。しかし1回だけなら無料で弁護士に相談する機会も多く設けられているのだ。

●自治体の無料法律相談

 意外に知られていないが、多くの地方自治体では住民を対象に無料法律相談を実施している。相談の担当者はもちろん弁護士なので、交通事故の損害賠償、債権整理、離婚問題など法律絡みのトラブルに関して、専門家によるアドバイスを無償で受けることができる。

 ただし、相談時間は通常の自治体で30分以内。その時間を超えての相談は一切できないので、相談内容は要領よくまとめて臨むのが理想的といえよう。また、自治体によっては法律相談とともに、無償で「心の相談」といったカウンセリング的な面談を行っている所もあるので、トラブルを抱えた人はこちらも併用して解決にあたるのもお勧めだ。

 しかし、自治体の法律相談には、それなりの短所がある。

 まず法律相談の日時がかなり制限されている点だ。多くの自治体での法律相談は完全予約制で、週に2〜3日程度。それも1日3〜4時間ほどの時間帯に定められている。必然的に予約が立て込み、相談まで数週間待たされるというケースも稀ではない。相談時間も制限時間を超えると、話しの途中でも終了しなければいけない。

 さらに相談者の中には、「弁護士が親身になってくれなかった」と言う人が(もちろん全員ではないが)いるのもの問題のひとつといえよう。

 賃貸住宅の敷金が戻ってこないと相談に行ったAさん(30代)は、次のように嘆く。

「資料を揃えて相談に行ったんです。でも弁護士は『“東京ルール”ってのがあるからさ。それをネットでダウンロードして大家に見せれば大丈夫』みたいなことを言っただけ。素人の僕にはチンプンカンプン。あとは弁護士の親戚が大家をしていることを雑談的に話すだけで、僕が質問を差し挟む余裕もなく、ろくな相談もできずに30分が過ぎてしまいました」

 自治体では無料法律相談を「あくまでも相談であり弁護士の斡旋ではない」とするため、担当する弁護士の所属事務所や連絡先は、原則として相談者には知らされない。従って、継続した相談や訴訟の依頼は、ほかの弁護士に依頼しなければならないケースがほとんどなのだ。

 弁護士といえども人間。収入に結びつかない相談には、ふと気が抜けてしまう気持ちもわからないでもない。もちろん、紳士的で礼儀正しい弁護士も多数いるのでAさんのケースは例外として捉えていただきたいのだが。

●法テラス活用の裏ワザ

 平成18年4月10日に設立された法務省所管の法人・法テラス(日本司法支援センター)でも、無料法律相談を受けることもできる。ただし、それには収入や預貯金が一定額以下という、ちょっとシビアな条件がつけられる。この条件を満たさない場合は30分5250円(税込)を支払わなければいけないのが難点だ。とはいっても、相談段階での収入や預貯金額はあくまでも自己申告のみでOK。証拠となる書類等の提出は、まず求められない。

 法テラスで無料相談できるのはやはり1回30分まで。さらに1案件につき相談できるのは3回限り、という点がちょっとしたネックになっている。しかし、法テラスで相談にのってくれた弁護士に依頼して事件の解決に当たる場合、収入などの条件を満たし、ごく簡単な審査を通ると法テラスの援助(弁護士費用の立て替え等)を受けることもできるため、嬉しい制度といえよう。

 しかし、相談者が弁護士を選ぶことは原則的にできないため、3回相談しても相性が良くない弁護士にしか出会えない、という悲劇も起こりうる。

 こんな時の対策として、「法テラス以外で知り合った弁護士に、案件を法テラスに持ち込みしてもらう」という裏ワザが存在するのだ。法テラスといえども公共機関。一定数以上の事件を扱わないと次年度に予算を削られる危険と隣り合わせの存在だ。あまり大きくアピールはしていないにせよ、一般の弁護士からの持ち込みは大歓迎の様子。「法テラスからうちの法律事務所に『積極的に案件の持ち込みをお願いします』と通信がちょくちょく来るんですよね」と法律事務所に勤務するスタッフが言うほどなのだ。

 もちろん法テラスに持ち込んでしまうと弁護士の取り分は若干少なくなる。そのため、持ち込みを断る法律事務所もあることは、覚悟しておいたほうが良いだろう。

●法律事務所の無料相談

 デフレの影響か、それとも相談料がオープンプライスになったためか、近年「30分以内相談無料」「初回1時間以内相談無料」といったサービスを提供する法律事務所が増えてきた。もちろん制限時間を超えると15分3000円、30分5000円など、その事務所が定めるタイムフィーに従って有料になる。とはいえ、プロの弁護士に無料で相談できるのは一般市民にとってありがたい限りだ。

 そこで、無料法律相談に行った人に話を聞いてみた。

「すごく感じが良かったですよ。はっきり言って自治体の法律相談や法テラスであった弁護士とは真面目さが完全に違いました。近隣トラブルで大したお金にもならないような相談だったんですが、ものすごく丁寧に資料を見てアドバイスをくれました」(50代男性)

「弁護士って、いばっていて冷たいイメージでした。でも、とても丁寧で、礼儀正しかったし、説明もすごくわかりやすかったです。私が帰る時はエレベーターまで送ってくれて、きっちり90度のお辞儀をしながら見送ってくれました。まるで美容院のスタイリストみたい。弁護士さんはパリッとしたイケメンだったし(笑)」(20代女性)

 法律事務所での無料相談から、そのまま依頼につながる可能性は高い。また、相談者が依頼人にならないにしても、クチコミの効果は期待できるはず。事務所の名前も出すからには小さな相談にも丁寧に応じてくれるということだろう。逆に言えば“接客”に自信があるからこそ、「初回相談無料」といった戦略を打ち出せるとも考えられるのだ。

●トンデモ法律事務所も

 しかし一方で、こんなケースもある。

 婚約破棄をされたDさん(男性30代)は「初回相談無料」の法律事務所に相談を申し込んだ。電話をかけたところ、受付とおぼしき女性が相談内容について、詳細に質問を重ねてきた。「簡単な聞き取りをして効率よく相談を進めるため」との理由である。

 聞き取りの後「後ほど、予約時間等につきまして担当弁護士から連絡をいたします」と言われて電話を切ったものの、待てど暮らせどコールバックはない。HPから「どのようになっていますか?」メールを出しても返信はない。「お電話まだですか」と連絡しても「担当者が留守ですのでもう少々お待ちください」と言うばかり。

 Dさんの請求希望額は慰謝料と式場キャンセル代で数十万円程度。「まさか大したカネにならないからスルーされた?」と思ったDさんは、ちょっとした実験を試みた。

 同じ法律事務所に別名で電話をし「離婚訴訟を考えている。港区の本宅と、葉山と軽井沢の別荘の財産分与でもめている」と話したのだ。もちろん前回の相談は固定電話から、今回の電話は携帯電話から、と電話番号も変えている。

 効果はてきめん。電話が終わった十数分後「担当弁護士」から相談予約について丁寧なコールバックがあったのだ。

「弁護士も商売ですから『コスパの良くない仕事はパス』なんでしょうけど。まあ、普通に倫理観を疑いますよね」とDさんは苦笑する。無料法律相談をする法律事務所もピンキリのようである。

●必ず複数の弁護士に相談を

 いずれにしても言えるのは、法律について相談する時は必ず複数の弁護士に相談するべき、という点である。

 テレビの某法律相談番組で、弁護士によって意見が大きく分かれるのを目にした機会は誰にでもあるだろう。実社会でもあれと同じなのだ。ある弁護士が「そんなお金取れないですよ」と言っても、別の弁護士が「確実に取れるお金です」と言い、また別の弁護士が「別の方法で交渉すればもっと有利かもしれない」と違ったことを言うケースは決して珍しくない。

 医療現場ではセカンドオピニオンの重要性がいわれて久しいが、弁護士の場合、セカンドオピニオンどころか、無料法律相談のサード、フォース、フィフスのオピニオンが身を助ける結果を生むこともおおいにあり得るのだ。

ニュースソース:ビジネスジャーナル

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